WordPressを仕事にしたい方へ
今や全世界の30%以上のブログサイトがWordPressを使っています。大手の会社も結構使っているんです。
弊社が2006年頃にWordPressを使いだした頃は、ここまでWordPress市場が大きくなるとは思っていませんでした。
Googleトレンドを見ても2006年頃から2010年頃にかけて一気に認知度が広まっていた様子が伺えます。
その頃は、HTMLで作られたホームページや、少しずつ出始めてきた自社更新型のブログシステムを搭載したホームページが世の中に出てきた頃でした。
2006年頃に使っていたWordPressのバージョン2の頃は、バージョンアップをするにしてもFTPソフト※を使ってファイルの削除や上書きを駆使していたようなものでしたが、先日記事で書いたように(WordPressの更新通知からアップデートする方法)、今やバージョンアップも管理画面からボタン一つで簡単にできるほどの手軽さになりました。
(※FTPソフト・・・ホームページが公開されているサーバーと、ホームページのデータを保存しているローカルパソコン間で、更新したファイルや画像データを送受信する際に使うソフト)
主要な機能がユーザーにとって手軽に使えるかどうかがITツール普及のきっかけですし、もはやこれだけ普及すれば、WordPress界隈だけでプログラミングやホームページ制作の仕事が十分成り立ちます。
しかもさらにWordPressは拡大し続け、大きな市場を構成するまでになりました。
弊社も現在ホームページ制作業を行っておりますが、お客様からの特にご指定のない限りは、ほぼ全ての案件でWordPressベースでホームページを制作させて頂いております。
この記事では、これからまだまだ市場が大きくなっていくWordPressを仕事の核にしたいとお考えの方に向けて、現状、WordPressではどのような仕事の依頼があるのか?や、将来的にWordPressを使って職業にしていくためには何が必要か?ということを、私の経験を元にお伝えしていきます。
WordPressで何ができれば食べていけるか?
現在、ホームページ制作の仕事は「今後なくなるよ」とか、「将来はAIがホームページを作るよ」とか、「無料で制作できるツールがあるので既にWeb制作は会社に頼む仕事ではないよ」など、そういった声があるのも確かです。
しかし私の実感としては、まだまだホームページ制作を依頼したいという事業者はたくさんいますし、そのホームページ制作の中核としてのWordPressの需要はこれからまだまだ伸びていくと感じています。
むしろ簡単にホームページが作れる時代になったからこそ、作ったホームページにどう集客していくかがサイト所有者全員の課題となり、SEOやWeb集客が、これからも仕事として成り立ち、更に市場も拡大していくのではないかと考えています。
そのようなWeb環境の中、WordPressを仕事にして生きていくためにはポイントが3点あります。
WordPressでホームページやブログを制作できるのは当然のこととして、WordPressを仕事にしていくために持っていることが望ましいスキルを優先順位の高い順から3つ書いてみます。
1.固定ページや投稿ページの中身(コンテンツ)を作れるかどうか?
2.サイトにアクセスを呼び込む(集客、マーケティング)ことができるかどうか?
3.WordPressを様々な業務システムとして使えるように進化(カスタマイズ)させることができるか?
WordPressでホームページブログ制作できるのが大前提
ここからの話は、WordPressでホームページやブログが制作できるということが大前提です。
その前提となる知識やノウハウにしましても、制作したWordPressサイトが、
1.お客様の方で使いやすいものになっているかどうか
2.お客様がストレスなく自ら管理できるようになっているか
3.技術的な指導もある程度できるかどうか
というところが最低限のスタートラインになります。
ドメインを取得しサーバーにWordPressを設定し、テーマを設定して、必要なプラグインを実装して、ビジュアルデザインをカスタマイズしたり、全体構成を調整したりしてホームページを作成するノウハウがない場合は、まずは下記のいずれかでWordPressでWebサイトを作成する経験値を積み上げていく必要があります。
1)ご自身でWordPressサイトを運営しながら情報収集しながら知識を蓄えていく
2)Web制作会社などで経験を積ませてもらう(未経験者向けIT仕事サイト)
3)フリーランスで小さい案件から数をこなして独学でノウハウをものにしていく
このいずれかのパターンで身につけて行く必要があります。
これらの内容を身につけた上で、先ほどの3点のポイントを解説していきたいと思います。
1.WordPressに掲載する固定ページや投稿ページの中身(コンテンツ)を作れるかどうか?
お客様からWordPressサイトの制作のご依頼があって、いざWordPressサイトを制作する段階になって、お客様の方からサイトに掲載する文章や写真の用意がなかなかできないとか、進まないといったことはよくある話です。
制作を受注したとしても、お客様が掲載する文章や写真を準備できないようでしたら、制作側が準備するしかありません。
ただし、お客様のコンテンツを準備するのはなかなか難しく、参考となる同業他社のサイトを見て適当に文章を取ってきて少し書き換える程度では、お客様のサイトはWebでは必要とされないサイトになってしまいます。
Googleも明らかにしているように、インターネット上で必要とされるコンテンツは明らかに独自のオリジナリティのあるコンテンツということになります。
お客様のビジネスをお客様の立場で、またお客様の商品・サービスの切り口でうまく表現し、独自の立ち位置をWeb上で築いていくことが必要なのです。
そのために重要なのが掲載する文章であり、写真であり、映像やSNSなども利用しながらオリジナリティを高めていき、唯一無二のサイトにしていく必要があるのです。
つまり、コピーサイトは論外なのは言うまでもなく、ありふれたコンテンツをただ掲載していくだけであれば、ユーザーがわざわざ見に来て情報収集したり参考にしたりといったことがされない平凡なサイトになってしまうということです。
書いていることが他のサイトとも内容的にも大した差がない、オリジナリティに乏しい内容であれば、そもそもそのホームページを見たい、この会社の商品・サービスを使ってみたいと思う人はいなくなってしまいます。
WordPressを使って制作できる技術に、プラスアルファとしてお客様のビジネスをヒアリングし、それをお客様がイメージされている通りに文章を書いて、オリジナルコンテンツとして仕上げていくところまでが、ホームページ制作業として求められる内容になってくるのです。
ホームページという箱だけ作ってお客様にお引き渡して、「中身は自分で作ってね」というホームページ制作サービスであれば、自らコンテンツが作れるお客様であれば問題ありません。
しかし、私の経験上8割程度のお客様は自らコンテンツを作り出していくことは難しいようです。
そういうお客様にとっては、結局ホームページは役に立たないとか、作る意味がないもの、集客できないもの、そういう認識をより強めてしまうことになりかねません。
ホームページが役に立たないという悲しい認識を持たれないためにも、WordPressでホームページを制作できるあなたがお客様のヒアリングを行い、コンテンツを作り、操作方法を指導し、集客できるところまでフォローしてあげる必要があるのです。
コンテンツが入っていないホームページは、ただの箱でありそこに集客できることはありません。
コンテンツを作成して行くのには費用も労力も時間もかかるということをお客様にご理解していただき、箱だけ作るホームページ制作業者とは一線を画したWordPressサイト制作業者になって欲しいと思っています。
WordPressで作ったホームページが役に立つと考える人が増えれば増えるほど、この業界に関わる多くのサイト制作者やエンジニアやデザイナーみんなにとって、大きなメリットになってくるからです。
2.WordPressサイトにアクセスを呼び込む(集客、マーケティング)ことができるかどうか?
制作したWordPressサイトにアクセスを呼び込むことは、非常に骨の折れる仕事です。
Googleなどの検索エンジンでキーワード検索をした際に自社サイトを上位に表示させて、そこからアクセスを獲得することをSEOと言います。
現在ではこの検索エンジンからの集客であるSEOのみならず、Facebook、Twitter、Instagram、LINEなどのSNSからの集客も非常に大きな集客ボリュームを獲得できる動線になっています。
つまりWordPressの制作を仕事にしていくということは、サイトを引き渡ししたお客様が事業の成果を上げられるように、どのようにしたらその制作したWordPressサイトにお客様を呼び込むことができるかのアドバイスもしてあげることと考えてください。
制作して日報のように毎日ブログを書いていても、それを見に毎日サイトにアクセスしてくれるようなユーザーは近年は激減しています。
それは圧倒的にSNSからの情報量の多さや、日常的にログインしてチェックするツールの増加に加え、ユーザーの興味関心が色々な場所に散らばってしまったからでもあります。
さまざまなツールの中に散らばっているお客様を、自らのWordPressサイトだけに引っ張り込んでくるのは至難の技です。
お客様の経営方針や商材や業種・業態に合った内容で提案でき、実行できる行動力も、WordPressを仕事にする方にはこれからは求められる能力なのです。
3.WordPressを様々な業務システムとして使えるように進化(カスタマイズ)させることができるか?
WordPressは単にホームページやブログとして記事を更新していくだけの機能に止まりません。できることは非常に多く、一つ一つ書いていくことは困難なことです。
例えば、メディアサイトとしてWordPressでサイトを立ち上げ、ライターを複数人抱え、同時に編集者として10人なら10人、20人なら20人、同時にログインして記事を投稿して、それを管理者が一括してチェックして1記事ずつ公開していくといったような業務業務フローも可能です。
また、WordPressにプラグインを導入するだけでショッピングサイトが出来上がります。
便利なプラグインも多くなっており、有効化するだけでショッピングカートが実装できたり、決済手段との連携やショッピングサイトの運営に関する様々なページが自動生成されたり、といったような使い方もできます。
さらに、カスタム投稿という項目を入力することによって、商品ページが定型フォームで出力されたり、在庫管理システムとして商品在庫をWeb上に表示させることにより、お客様からのお問い合わせを商品ごとに受付けたり、もしくはWeb上に販売商品を陳列しながら、管理画面内では一つ一つの商品を、内部管理できたりするような使い方もできます。
予約システム付きのホームページも簡単に作れます。→ 旅館の予約システムを無料で導入する方法
弊社でもWordPressサイトで見積・請求・領収書の発行システムを管理運用しており、これも無料のプラグインを使ってWordPress本体に実装するだけで、簡単に業務システムとして使うことのできる一例です。
もちろんペラページの作成もOK |
WordPressはブログシステムとして総括されていますが、1ページもののランディングページを作成し、そこに様々な機能を持たせたり、一つのドメインでWordPressを何台もディレクトリに分けて入れることによって、本支店別や営業所別に全く別サイトのように、いくつものWordPressサイトを管理運用したりといった、そんな使い方も可能です。
単純に誰もが見えるホームページとしての管理運用をする以外にも、そのまま業務システムとして管理画面を使ったり、会社のコアなシステムをWordPressでカスタマイズしていく場合は、会社のホームページとドメインを分けてセキュリティを強化させた状態で顧客管理システムを取り扱うといった使い方もできます。
つまり、現在インターネットで見ることのできるホームページやウェブサイトが行っているような、デザインや動きや機能や使い方は、どのようなことでもWordPressで再現できるといっても過言ではありません。
カスタマイズに必要な知識はPHPというプログラミングの知識になります。
このPHPというプログラムもプログラミング言語の中では比較的古い部類に入ります。
しかし、プログラミング言語は共通の考え方も多く、PHPをマスターしてWordPressを使いこなすようになれば、お客様が仕事の中で「このようなシステムがあれば便利なのになあ」といったようなご要望に応えやすくなります。
WordPressを軸としてプラグインをカスタマイズして自己開発したりして、提案の自由度が広がり、お客様にも重宝される人材になることは間違いないと思います。
弊社も求人応募のページでPHPのプログラミングができる方を継続的に募集していますが、それだけお客様からのニーズもあるということです。
ただこれは表立っては分かりにくくて、お客様も、「◯◯のようなシステムがあれば便利だ」という話はよくされるのですが、それがWordPressで実装できるかどうかというところはお客様にとってはあまり関係のないところです。
ただ、「WordPressを使えばこういったシステムも比較的低予算で構築できますよー」と言った話をすると、そこで初めて「WordPressってそんなことまでできるのですね!」と、びっくりされることもよくある話です。
結論 WordPressで仕事するためには
最後になりますが、結局WordPressで仕事をしていくためには最低限のWordPressが作れて、お客様に色々な説明をできるレベルには引き上げておく必要があります。
人材のニーズとしても、ここから先の話で、要するにコンテンツ制作能力であったり、SEOやマーケティング能力であったり、プログラミングを始めとしたカスタム能力であったりするので、WordPressプラスアルファの能力を付けなければ継続して仕事にしていくことは、これから先の時代はむしろ難しいのではないかとさえ思います。
弊社の場合はコンテンツ制作とSEOを始めとしたマーケティング集客の方面でノウハウを10年以上を蓄えてきましたので、WordPressのプラスアルファをこの部分でずっとお仕事をさせていただいている感じです。
プログラミングの部分は、先ほど求人サイトのお話をしましたが、外部のデザイナーさんやプログラマーさんに協力を仰いでいるところなので、使い方の理解はできますが、自ら1から構築するようなプログラミングはできる人に助けてもらっている状況です。
チームを作って仕事をしていく場合でも、結局は自分自身WordPress周りの事を一通りできるようになっておくことが人材としての価値を高めることにつながります。
この記事を読み、これからWordPressを仕事にしていきたいとお考えのあなたも、是非WordPressで前述のノウハウを習熟し、スキルアップしていくと共に、それに伴ってお客様が必要としている業務も引き受けられるような幅広い知識やノウハウをものにして、是非WordPress周りの仕事を盛り上げていって欲しいなと思います。
これからWordPressを習熟しようとされている方には、こんなサイト(未経験でIT業界正社員を目指される方向け)もありますので、こういったサイトを利用して1年なら1年、会社を利用してノウハウを一生懸命習得してから独立するのも20代~30代の若い方にはアリだと思います。
私もずっとWordPressでご飯を食べさせていただいているので、何かしらWordPress業界に貢献できるような仕事のやり方をしていきたいとそう考えています。
こちらが最新情報です
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ChatGPTでのコンテンツ制作は危険
初めて発行したプレスリリースの結果と感想
会社サイトのリニューアルが必要な10の理由とその重要性
制作費10万円+月額4,500円でのウェブサイト制作・保守サービス
投稿者プロフィール
- 2004年頃の会社員時代からブログ作成を始める。ブログ作成が楽しくなり、そのまま趣味が高じて2006年にホームページ制作で起業、2008年に株式会社ウェブロードを設立。現在は、個人・中小事業者のWordPressサイト制作・改善を中心に、Web業界17年の知識と経験を生かして、大型案件のWebディレクターとしても活動中。 プロフィールはこちら
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