この話も何人かの方にお話したいことがあるのですが、意外とご存知ない方が多いので、経理マンだった僕の観点から書いておきます。

IT化やロボット化がますます進み、どんどん人件費が削減される業界が増えています。

そうなれば30代40代でもリストラの対象となり、会社を辞めるざるを得ない状況の人が増えてきます。

そんな中、自分で何かできるという自信のある人は、起業という選択肢を取ることもあるでしょう。

ソーシャルネットワークサービスなどの発展に伴って、新しく自分がやることに対するPRが簡単になり、多くの人に直ぐに知ってもらうことが可能になっていることも起業の敷居を下げています。

僕自身がそのような感じで2006年に独立したこともあり、正にこれから起業するといった人や起業を考えている人、起業したばかりの人、そういった人と話をする機会が、僕自身は他の人に比べて多いと思います。

起業するに当たって、1つの広告媒体としてのホームページの運営のことで、僕が直接ご相談を受けることが多いからです。

そういった起業関連でのご相談を受けるときに、僕の方から必ずお伝えしておくことがあります。

それは実際に会社を設立し、登記し、活動開始する前に、その時までに掛かった経費の領収書やレシートを、必ず全て集めておくということです。

会社設立前には必ず色々な経費が掛かります。

実は会社設立後に掛かった経費だけが会社の経費として計上できるという訳ではなく、会社設立の準備段階で掛かった経費も会社設立後の会社経費として計上できるのです。

こういった経費を創業費とか開業費とか言います。

多額になる場合は、会社資産として一旦計上し、数年掛かりで費用化していくという方法を取ります。具体的には下記のようなものがあります。

例えば、飲食店開業の準備中に、同業他社のレストランの調査のために行った食事代金や交通費、実際に試作品を作るために買った材料やキッチンを借りた場合の場所代、料理講習のための費用や料理人との事前打ち合わせに使った飲食店の費用など、開業のための様々な費用が経費として認められます。

他にも、事務所を開業する時に、物理的な机や椅子やパソコンやテーブルなどはもちろん経費算入しますよね。

しかし、事務所開設の前に、例えば、1年に渡って準備のための打ち合わせに掛かった場所代、飲食費、書籍代、通信費などは、会社稼働後も経費算入するのを忘れがちな部分になります。

打ち合わせに使った飲食店における飲食代金、いわゆる会議費しての部分もそうです。

こういった飲み食いの費用もまとめて創業費・開業費といった項目で費用計上できるのです。

とにかく、起業してすぐというのは何かと現金が必要になってくる時期です。

すべての領収書は必ず残しておかなければなりません。

領収証もらう癖を付けていないあなたは、必ずどんな場合でも領収書をもらう癖をつけましょう。レシートでもOKです。

要は事業に関する支出があれば、会社設立前であっても、きちんと集めて整理しておくことが大事なのです。

利益が出ている場合は5千円の領収書一枚であったとしても、その5千円分の利益が圧縮でき、その分の課税標準が減少し、現金流出である税金の支払いを少しでも抑えることができます。

実際に起業して会社を始めるかどうかに関わらず、会社員でも経費算入できる場合がありますので、仕事関連の領収書・レシートは必ず集める癖を付けてください。

出ていくお金を1円でも少なくし、自分の財産を守ることです。社長になる人にはそういった経理の概念を持ち合わせていて欲しいと思います。

お客様に接する部分では、できるだけお金を掛けて、最高のものを提供することに集中してください。

起業前にレシートや領収書を集める癖を付けることは、コスト感覚を身に付け、自社の財産を守り、お客様視点のビジネスを構築していくことに繋がっていくのです。

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山口 敦
山口 敦
2004年頃の会社員時代からブログ作成を始める。ブログ作成が楽しくなり、そのまま趣味が高じて2006年にホームページ制作で起業、2008年に株式会社ウェブロードを設立。現在は、個人・中小事業者のWordPressサイト制作・改善を中心に、Web業界17年の知識と経験を生かして、大型案件のWebディレクターとしても活動中。 プロフィールはこちら

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