この記事では、会社サイトで運営しているブログをスタッフに書いてもらう際の注意点を6点挙げています。

  1. ブログ=コンテンツ≠日記
  2. 自社商品・サービスに関する内容のみ
  3. 「比較」や「方法」は検索される
  4. 片手間仕事ではなく本業(営業業務)である
  5. アクセス測定で成果を給与に反映
  6. 社長直轄の部署で行う

コンテンツ集客においては重要な視点ですので、ぜひお時間を取ってお読みいただければ幸いです。

1.ブログ=コンテンツ≠日記

まず第一番目として「ブログ=コンテンツ≠日記」の視点をスタッフに伝えておいてください。
ブログは日記を書くものではないということを徹底する必要があります。

スタッフにブログを任せるとなると、コンテンツの方向性を確認しておかなければ、ブログは日記やSNSと同じイメージを持っておられる方もいます。

例えば内容が会社の業務のことであったとしても、ユーザーに対して価値のある内容であったり、誰かが探して読みたくなる情報になっていない場合が多いのです。

一番避けて欲しいのは、同僚とお茶をしたとか、近所に新しいお店ができたとか、SNS投稿のような内容です。

そのような内容は日記ブログもしくは個人のSNSに書く内容なので、会社のブログとは使い分けをして欲しいと思います。

ブログはコンテンツを作る場所という認識を持っていただき、「ブログ=コンテンツ」を徹底させてください。
ブログはその一記事一記事が独立したコンテンツで、その一つ一つのページコンテンツに検索から単独でアクセスが入ってきます。

Google検索からでもいいですし、Yahoo!検索からでもいいですしそこから何らかのキーワード検索して入ってくるような記事にしていかないといけないのです。

それが本来、ブログを会社で運営していく意味になってきます。

この視点をきちんと伝えておいてください。

2.自社商品・サービスに関する内容のみ

2番目は自社の商品・サービスに関する内容のみを書いていこうという話です。

これは会社に関係のある情報を書いていかないと、結局検索されてアクセスがあった時に、お問い合わせや商品・サービスの購入につながりません。

ブログを書くという目先の作業だけでなく、その先の目的は何かというところまでつなげて考える必要があるということを伝えておいてください。

有益な情報を提供しユーザーに喜んでいただくという建前はあるものの、やはり事業としてブログを書くには商品・サービスの販売につなげていくことが真の目的です。

切り口としては下記のような内容がおすすめとなります。

  • 商品・サービスに関する使い方の情報
  • 操作方法のブログ
  • 商品・サービス内容の分析記事

アクセスした方が、役に立った・こういう情報が欲しかった・探していた、と思えるようなコンテンツが理想です。

3.「比較」や「方法」は検索される

「比較」とか「方法」は検索されると書きました。

ユーザーはその商品の専門家ではないので、A商品とB商品があっても、どっちが良いのかわからないので、「じゃネットで検索してそれぞれの口コミを見てみよう!」とか「実際にAとBの商品を比較しているサイトで確かめてみよう!」とか、そのような検索行動が多くなります。

そのため「比較」というキーワードは、単に同業他社と商品を比較するのではなくても、自社の商品同士を比較した場合でも「比較」というキーワードも使えます。

また、「比較」というキーワードを使わなくても、商品の内容とかA商品とB商品の違いを細かく分析した内容などでもOKです。
例えば商品の分析内容をブログの1記事として書きますと、その内容はユーザーの参考になる情報となります。

AとBの選択に悩んでいる方の解決の糸口を見出すような情報になっていることが比較のコンテンツの意味になります。

「比較」というのはその商品・サービスの専門情報が無い方のために、選択する道標を与えてあげるような情報ということです。

そのため、比較コンテンツを自社のブログの中に入れることは、サイトへのアクセスを集める良い方法でもあります。

「比較」と同じく、専門知識がない人に向けた検索され集客できるキーワードとして「方法」があります。

「方法」というのは様々な言葉を包括したキーワードですので、細かく見ていくと「作り方」「やり方」「設定方法」「ノウハウ」など、セットにされて検索されるキーワードです。

要するに自らの興味関心のある事象についてのノウハウは皆さん知りたい情報なんですね。


例えば犬小屋の作り方を例に挙げてみましょう。

初めての方はどうやって作るか分からないですよね。
身近な人に犬小屋の作り方を聞いてみても、その方が作ったことがなければわかりません。
じゃネット検索してみようということで「犬小屋の作り方」で検索してみました。

Google検索をして、ある記事にたどり着き、そこには犬小屋の作り方が細かく書いてありました。

その情報を読めば犬小屋が自分でも作れそうです。

次に、日曜大工の道具をどうしようかなと思った時にそのページを読んでいると、ページの途中に犬小屋キットはこちらというリンクがあり、そのリンク先へ飛んで犬小屋のキットを購入したとします。

そのサイトは紹介料として、その犬小屋キットの販売会社から紹介手数料(アフィリエイト)が発生します。
ユーザーが役に立った方法とかノウハウのコンテンツは、多くの方が探している情報で、それがある問題を解決させたとなるとそこでユーザーは満足します。


その記事内で購入やサービスの申込を発生させることのできるコンテンツが「方法」っていうコンテンツなんですね。

犬小屋のことを書いた記事 → https://www.webroad.co.jp/homepage/archives/2939

弊社が書いているブログ記事も同じ考え方です。

ホームページはWordPressの制作方法や運営ノウハウをお伝えしておりますが、Web周りの情報をずっとお伝えしていきますと、Web関係の情報を探しているユーザーの満足感を満たすことに繋がります。ここを目標にしています。

プラグインの使い方の記事を書いていれば、そのプラグインの使い方が分かったユーザーの満足がその記事で発生します。
使い方がわかって自分で使えるようになったユーザーは、次のステップへ進み、次の方法、つまり別のプラグインの使い方や、集客の方法も知りたいと思うようになってきます。

Web周りの情報なので、自社ホームページの作成方法だけでなく、次のステップでは運営方法・集客方法・お問い合わせ獲得方法など色々な方法を知りたいと思うようになってきます。

Web周りの様々な方法のコンテンツを作成し、伝えていくことによって、一定数のユーザーに自社のサービス内容も知ってもらうことができます。

「方法」コンテンツは、ビジネスをされている方であれば誰もがブログに書いていける切り口になります。

ぜひこの「比較」や「方法」のコンテンツを、自社の商品・サービスで考えてみてください。

スタッフの方に書いていただくときは、「比較」「方法」の切り口で、どのような情報提供が、自社の商品サービスを通じてユーザーの方に提供できるかをしっかり考えて、詳しく書いて欲しいと、そういう風にお伝えすると良いでしょう。

4.片手間仕事ではなく本業(営業業務)

そして4番目ですが、そのようなしっかりとしたコンテンツを作って行く場合は、もはや片手間仕事では作れません。

文章をしっかりと作って行こうと思ったら、なかなか1日だけで完結させることも難しいですし、2日・3日もひとつの記事の作成に費やすこともあるかもしれません。

そうなるともはや本業なのですね。
営業業務って書きましたけれども、マーケティングとか営業の本業になってきます。

片手間仕事では、なかなかスタッフにしっかりと情報収集をした内容の濃いブログを書いてくれとは言えません。

片手間仕事と社長が考えていると、スタッフのブログへの取り組み姿勢も、本業ではなく片手間の仕事で良いという捉え方になってしまいます。

そうなると、ブログは日記を書けば良いと誤解されてしまいますので、日記じゃないよ、しっかりとした会社の商品・サービスに関する内容を書くんだよということを伝えるためにも、これは片手間仕事ではないということを、はっきりと伝える必要があります。

伝え方としては、ブログ執筆はあなたの本業です、あなたはブログを書くスタッフです、営業業務です、マーケティング業務です、営業活動の主たる業務であり、真剣に本気で取り組むべき仕事です、と伝えます。

もちろん、経営側が率先してこの意識を持たなければなりません。

現代においては、会社とお客様とのファーストコンタクトがホームページである場合が非常に多くなっています。

そのファーストコンタクトの場であるホームページ内に掲載されている新着情報、つまりブログの記事をしっかりと書いて行かなければ、お客様の信用は勝ち取れません。

会社のことを丁寧に間違いなく、お客様にお伝えし、このような情報を教えてくれてありがとうと感謝していただくための情報を作っていく、ブログ執筆はそういう仕事でもあります。

5.アクセス測定で成果を給与に反映

スタッフにこのようなしっかりとしたブログを書いていただこうとすると、これは本業になりますので、しっかりとアクセスも測定していきますし、成果を給与に反映させることも必要です。

もちろんこれは会社によって様々だと思いますが、個人的には本業であればしかるべき給与もその分確保する必要があります。

ブログそのものの位置づけを、会社の本業と同じレベルに高めていく必要があります。

社内全体の意識改革も必要ですし、経営側が給与と連動させて、本気でブログ執筆に取り組む姿勢を見せる必要があります。

6.社長直轄の部署で行う

そうなると、ブログ執筆は片手間レベルの本業ではなく、社長直轄の部署で行う最重要マーケティング部門という位置づけで考えるべきです。

例えば20人、30人のスタッフが社内にいるとすると、ブログを書くのが得意な方もいらっしゃると思います。
好きだ、得意だ、という方を選抜して、部署を一つ作り、コンテンツマーケティング部門を立ち上げましょう。

もちろんこれは社長直轄の部署です。

この内容は、中小企業・小規模事業者を前提に書いていますが、大企業ほど、コンテンツマーケティングの重要性を何年も前から認識し、オウンドメディアの構築と運営に大量の資金を投入しています。


一部ですが、5社ほどコンテンツマーケティングに力を入れている会社のブログを紹介します。

https://www.freee.co.jp/より

【freee会計】経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識。
https://www.freee.co.jp/kb/

経理や総務などバックオフィスのシステムを提供している会社らしく、事務処理や会社手続きの際の、問題解決情報をたくさん提供する情報サイトとなっています。

https://cybozushiki.cybozu.co.jp/より

【サイボウズ】サイボウズ式
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/

グループウェアを提供しているサイボウズは、働きやすい会社にする提案、組織力を活かした経営など、経営者側の記事と、働きがい、業務効率化、メンタル面など、会社で働くスタッフ側からの情報も充実しています。

https://www.smbc-card.com/より

【三井住友カード】ゼロからはじめるクレジットカード
https://www.smbc-card.com/nyukai/magazine/index.jsp

クレジットカードを持つメリットだけでなくデメリットも少し織り交ぜることにより、新規クレジットカード契約の敷居を下げる役割をしています。カード活用のメリットなど、カード生活を快適に行う提案とそのコンテンツを投入しています。

https://liskul.com/より

【SO Technologies株式会社】LISKUL
https://liskul.com/

企業が行うWebマーケティングの手法に特化した情報サイトです。弊社もよく参考にさせて頂いています。Web業界内では有名な、お役立ち情報満載の大規模コンテンツサイトです。

https://hokuohkurashi.com/より

【株式会社クラシコム】北欧、暮らしの道具店
https://hokuohkurashi.com/note/

一般消費者向けに、憧れの北欧暮らしの情報を日々掲載しています。日常生活に関するコンテンツなので、コンテンツのネタが多く、1日に3記事も4記事も新着情報がアップされています。


社長直轄の部署でコンテンツマーケティング・ブログの部署を作らないといけないです。
もしくは中小企業では、社長が直接担当する必要があるレベルです。

コンテンツマーケティングは、営業の根幹であり、会社の最重要な受注獲得の切り口となります。

今の時代の情報収集方法は、人に聞くよりもまずはいつでもどこでも簡単なネット検索をして、この会社はどんな会社なのか?どういう情報があるのか?を調べられます。

誰でも簡単に、誰に知られることなくチェックすることが可能な状況です。
そのためにブログはかなり重要で、このブログの重要性を認識していない会社の場合は、社長や経営者の意識を根本的に変える必要があります。

社長や経営者側がその認識を持って初めて、その重要性がスタッフにも伝わります。

この記事は「会社スタッフをコンテンツ(ブログ)担当にする際の注意点」ということで書いているのですが、スタッフのいない一人会社の方でももちろんこの内容をどう実現できるかを考えてみてください。

自分自身でお客様とのファーストコンタクトの場であるのが自社コンテンツ(ブログ)であるという意識を持った上で、記事の執筆を進めていくことが必要だと考えています。

投稿者プロフィール

山口 敦
山口 敦
2004年頃の会社員時代からブログ作成を始める。ブログ作成が楽しくなり、そのまま趣味が高じて2006年にホームページ制作で起業、2008年に株式会社ウェブロードを設立。現在は、個人・中小事業者のWordPressサイト制作・改善を中心に、Web業界17年の知識と経験を生かして、大型案件のWebディレクターとしても活動中。 プロフィールはこちら

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